ダリアの花、と聞いてあなたが思い浮かべるのは、どんな花姿でしょうか。今の季節から少し先、秋の主役級のお花であるダリアは、やはり幾重にも重なる花びらが大きな丸いお花をつくる形が印象的です。大きなサイズの花束のセンターにあったり、スタンド花や結婚式の会場装花でも人気ですね。繊細でありながら力強くて豪華なダリアは、バラやユリのように、どこに入っていても主役になれる、何かと特別感のあるお花のひとつです。とはいえ、じつはダリアは咲き方の種類がとても多く、大輪花だけではないもっともっと魅力がいっぱいのお花なのです。

まずダリアの基本として、キク科ダリア属に属する植物です。たしかにお花もどことなく菊っぽい。また、大輪のお花が牡丹の花にも似ていることから、和名では「天竺牡丹」と呼ばれます。「天竺」はインドのこと。異国情緒のあふれるすてきな名前です。日本には、江戸時代にオランダから長崎に持ち込まれたのが最初といわれています。

菊にもいろいろな花の形があるように、そのなかまであるダリアもバリエーションいっぱいの姿を持っています。このコラムのはじめにご紹介した大輪のタイプであれば、フリルのように花びらが重なるもの、チアダンスのポンポンのように丸くてかわいらしいものの印象があります。似た咲き方であっても、花びらの形が丸いものと、すっと細いまっすぐなものではかなりイメージが変わってきます。また、お部屋の一輪挿しにも飾りやすい小輪のダリアもあります。ガーベラのように一重で咲く種類であれば、ナチュラルなインテリアにも馴染みやすいですね。時期になればホームセンターなどの花苗のコーナーでもよく取り扱われていて、土で育てる楽しみもあります。育てやすい品種はガーデニング初心者さんにも大人気。プランターや植木鉢で育てて、お花が咲いたら切花にしてお部屋の中にそっと飾る、というスタイルもすてきです。また、色の種類も書ききれないほどたくさんあり、シンプルな単色からグラデーションまで、淡い色から深い色まで、「パッと思いつく色で、ダリアにない色はないのではないか」というくらいにダリアの世界はカラフルです。推しカラーもきっと探せるはずです。

もし、お花屋さんでお気に入りのダリアを見つけたら、ぜひ一輪だけ買ってみて。あなたが選ぶダリアが、数ある種類の中のどれなのか、とても楽しみです。お花の大きさにもよりますが、ダリア自体がまさに主役なので、逆に花瓶は選びません。もしもアレンジを加えるなら、秋のお花ですから、枝付きの松ぼっくりや紅葉した葉っぱなどを合わせるとしっくりきて、季節感を出すことができます。
お花屋さんをちらっとのぞいて、「このお花の色、好き!」と思ったらダリアだったということもよくあります。そんな夏秋の運命の出会い、街歩きのひとつのお楽しみですね。


