アンスリウムは、どことなく南の島を思わせる雰囲気が大きな魅力のお花です。この夏の季節にとてもよく似合いますね。
「アンスリウム」という名前に聞き馴染みがなくても、実物や写真を見たら「あ、見たことある!」ときっとなるはず。ガラスのようにつやつやしたハート型のフォルムが印象的ですが、きっと多くの人が予想しているとおり、あれはお花ではありません。「仏炎苞」と呼ばれる、どちらかというと葉っぱの一部です。なかなか見かけない字面の「仏炎苞」、仏像の後ろに見られる炎の形の飾り(光背)にその形が似ていることから名付けられました。ではお花はどこにあるかというと、その仏炎苞の真ん中に位置する細長い部分で、「肉穂花序」と呼ばれます。この「肉穂花序」と「仏炎苞」は多くの場合セットになっていて、肉穂花序を守ること、また花粉を運ぶ虫を招き寄せることが仏炎苞の主な役割です。

アンスリウムを説明しようとすると、漢字がちょっと多くなってしまうのが意外なところですが、難しい部分はさておき、「まわりのハートはきれいな葉っぱ、真ん中のちょろっとしたところがお花」と知っていただけると、お花好きさんとしてばっちりです。一番目立つ部分が葉っぱなので、長くきれいな姿を保ってくれるのが、お家で飾るときのうれしいポイントですね。

さて、そんな個性的なアンスリウムなので、ゴージャスなお花と組みわせるのがベストかと思いきや、意外に一輪だけで飾ったり、グリーンと合わせると、ナチュラルな雰囲気を演出できます。まっすぐに茎が伸びてとても姿勢がいいので、少し細長い形のガラスの花瓶などがおすすめ。茎の形を生かして長めにカットすることが多いですが、短くなってきたらコップにさすのもすてきです。レッド、ピンク、イエローなどのはっきりした色なら、まさに南国。ラン系のお花と組み合わせたら、まるでリゾート地のプチホテルのお部屋やレストランにいるような気分になれます。淡いピンクならかわいらしく、南の島のかわいいカフェのイメージでしょうか。白やグリーン系は、木の家具やリネンのテーブルクロス、籐のかごとの相性がとても良く、すっきりとお部屋に馴染みます。とくに夏の季節を楽しみたいこの時期、透明なガラスの花器であれば、ガラスに映る日差しや、水の涼しげなようすもいっしょに眺めることができますね。

どちらにしても、大きな花束を飾る必要はなく、自然にすとん、と花瓶に挿してあるだけで十分おしゃれです。お家のどこかに一輪あるだけで、毎日の中に「花に出会う」瞬間が何度も生まれます。朝起きたら水をグラスで一杯飲むのと同じように、お花のコップにもお水をあげる。人とお花とのそんな距離感、とてもすてきです。


