グラジオラスのおはなし

夏を彩る、鮮やかな色のグラジオラス。すっと伸びた背の高い花姿と、縦に連なって並ぶ小さな花が美しい、カラフルなお花です。夏の季節も相まって、明るくてどこか南国トロピカルを思わせるような色合いがすてき。原産は南アフリカといわれ、6月から10月にかけて見頃を迎えます。

「グラジオラス」という名前は、古代ローマの剣である「グラディウス」に由来します。よくファンタジー系のアニメやゲームで強そうな人が持っている、あれです。高さのある細長い姿をぴったり言い表したとてもわかりやすい名前ですね。

日本語では「オランダあやめ」という名前でも知られ、俳句では夏の季語にもなっています。五、七、五の十七文字の世界で、七の枠を占領してしまう「オランダあやめ」、句にひとつ入っているだけでとても存在感があることでしょう。

さて次は、そんなグラジオラスをお部屋に飾ることをちょっとイメージしてみます。花壇の主役のようなお花ですが、切り花としてもとても魅力的。縦のラインで高さが出るので、天井を高く、お部屋を広く見せてくれる効果も期待できます。横に広がらないので、グラジオラスだけで飾るのであれば、意外に省スペースが叶うのもいいですね。

玄関やドレッサーまわりなら、一輪を潔く細長い器に生けて。スリムな花瓶もいいですし、お花自体に色があるので、透明のガラス瓶にも似合います。ダイニングテーブルを華やかにしたい場合は、いくつかの色を取り合わせてもいいかもしれません。難しく配置を考えなくても、花瓶にざっくりと投げ入れるような形で十分おしゃれになります。ほかのお花と組み合わせるときも、個性的な花姿なので、動きのあるすてきな花あしらいを作りやすいのがうれしいポイントです。

そして、グラジオラスを飾るとくにぜひ注目していただきたいのが、縦に並んだお花が少しずつ開花していくところ。グラジオラスのように、たくさんの小さなお花が集まって咲くお花は、一度にすべてが咲くわけではなく、順番に花開いていきます。「剣」という鋭さを感じる名前を戴くグラジオラスですが、実際に飾って見ていると、小さな花が少しずつ表情を変えていくやわらかな時間が流れるお花でもあるのです。

作りものではなく生花を飾るということは、ただ完成した姿だけを見るのではなく、毎日の小さな変化をすぐそばで見守るところに楽しさやおもしろさがあるということ。色とりどりのたくさんの色がそろっているから、あなたのお気に入りもきっとある。グラジオラスの小さなお花たちは、そんな自由で穏やかなお花の楽しみ方を教えてくれることでしょう。

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