初心者もマニアも楽しめる!ザミオクルカス徹底ガイド

基本情報 サトイモ科ザミオクルカス属
学名:Zamioculcas zamiifolia
鑑賞価値 艶やかで濃い緑の葉,光沢のある羽状葉
育てやすさ 乾燥に強く、丈夫で初心者でも育てやすい
置き場所 明るい日陰が理想
直射日光は葉焼けの原因になる
水やり 春〜秋は乾いてからたっぷり
冬は控えめに管理
温度・湿度 18〜28℃が適温
10℃まで耐えるが乾燥しすぎに注意
ザミオクルカス

ザミオクルカス

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ザミオクルカスってどんな植物?

ザミオクルカス・ザミーフォリア (Zamioculcas zamiifolia) は東アフリカと南東アフリカの湿潤サバンナ帯の地域に自生するサトイモ科の植物です。

日本の一般的な室内環境で育てやすく、成長しても自然と形が整うため、手間がかかりにくく初心者向けです。ツヤのある深い緑の葉と、直立的に立ち上がる茎が特徴的です。さらに、根元には塊根があり独特な雰囲気があります。

大きさは品種にもよりますが、60cm程度まで成長します。樹木のように枝はありませんので、1つの葉の大きさがそのまま高さになります。成長するに従って、球根のような塊根が増えます。塊根が増えてくるとだんたんと横にも広がっていきますが、これは非常にゆっくりとしたペースです。

乾燥に強いため、頻繁な水やりや加湿が不要です。そのため、忙しい方でも気軽に育てることができます。

ザミオクルカスの基本品種を紹介

ザミオクルカス・ザミーフォリア:
一般的にザミオクルカスといえばこちらで、すらっと長い葉が伸びます。

ザミオクルカス・ザミーフォリア ゼンジー:
葉が小さく密になるように改良された品種です。

ザミオクルカス レイヴン:
葉が黒くなるように改良された品種です。

図1. ザミオクルカス・ザミーフォリア(左)とゼンジー(右)


初心者にやさしい育て方のコツ

1. 直射日光の当たらない明るい場所に置く
2. 極端に乾燥する場所は避ける
3. 土が乾いてから水をたっぷりとあげ、水を切る
4. 寒い時期は土が乾いてから2、3日ほど待ってから水をあげる

  • この点だけ気をつければ健康に育ちます。例えば冬の時期で、3日ほど土を乾燥させておこうと思ったけど、たまに忘れてしまって一週間放置してしまったとしても大丈夫なほど頑丈なので、あまり細かいことを気にせず管理できます。極度の乾燥により葉が落ちてしまっても水をあげればまた新芽が出てきます。


ちょっと専門的なザミオクルカスの話

自生地

東アフリカと南東アフリカの湿潤サバンナ帯の地域で野生のザミオクルカスをみることができます。この地域は、年間を通して温かいですが、雨のほとんど降らないような乾季があります。このような地域の木陰で直射日光を避けるように生育しています。ここは高木からの落葉も豊富であり、肥えた土壌です。

図2. ザミオクルカスのおおまかな分布


品種改良がされてきたものか野生型か

観葉植物は、野生から採取した植物の頑丈さ・色味・大きさなどを人々により好まれるように品種改良されたものが多いです。また意図的に変えるつもりはなくても増やす過程で自然と変化が蓄積して、野生のものとは異なる特徴をもつこともあります。

野生のザミオクルカス・ザミーフォリアの茎(正確には葉柄)は長細いですが、日本で一般的に流通しているものは野生のものよりも葉柄の付け根部分が太めです。そのため、品種として名前が付けられたものではありませんが、栽培家の手によって増やされる過程である程度変化していると思われます。

葉が密につき、さらに葉柄が太くなるように改良されたゼンジーという品種と、葉が黒くなるように改良されたレイブンという品種が有名です。どちらも種苗法により保護された品種であり、販売や譲渡を目的として無断で増やすことはできません。

図3. ザミオクルカスが自生する様子


特徴的な形状と乾燥に強い理由

ザミオクルカスの特徴は、丸い塊根と太い葉柄です。この内部に多く水分を貯めておくことができるため、乾燥してもしばらく耐えることができます。極端に乾燥した場合には、葉を落としますが、再び水が手に入れば塊根から新しい芽を伸ばします。

図4. ザミオクルカスの塊根(青矢印)と葉柄(オレンジ矢印)


育成環境にこだわるなら

温度

18~26℃が生育に適しています。18℃を下回ると生育が止まります。10℃程度まで低温に耐えます。生育が止まる温度で管理する場合には水やりを控えめにしましょう。

ザミオクルカスは湿潤な環境ではなく、少し乾いている土壌に生育する植物であり、しばらく乾かない状態が続くと根が腐ってしまいます。そのため、栽培には水はけのよい土を使います。

腐葉土等の有機質を多く含んだ土は、大きく早く成長させるためには都合がいいですが、水持ちがよすぎたり、雑菌が増えやすく、根を痛める原因になりやすいです。自宅で楽しむ分には、無機質の土に植え、定期的に乾燥させながら育てる方法が最もよさそうです。

植え替えを行う際には、予め肥料を混ぜ込んでおくことはせず(元肥を入れず)、1ヶ月程度根が動くのを待った後で肥料を与える方法をお勧めします。これは根をしっかりと張らせることを目的としています。

ザミオクルカスは根が縦に広がりやすいので、縦長の鉢が向いています。また、通気をよくするために、スリットの入っているものが特にお勧めです。

栄養

幅広い肥料を使えます。液体肥料・粒状の化学肥料・有機肥料どれでも問題ありません。肥料は植物が生育するために大事な窒素・リン酸・カリを多く含むものです。

液体肥料の場合には、早く効く反面、効き目が短いのでこまめに施肥します。数回の水やりに一度、指定の濃度よりも10倍程度薄めて与えます。

粒状の化学肥料と有機肥料の場合には、土に混ぜ込んで使います。製品によりますが半年程度で効果が切れるので定期的に追加します。

活力剤は植物の生理活性を高めます。肥料だけでは不足する、ミネラルやコリン・フルボ酸・アミノ酸等を補うことができます。液体肥料と組み合わせる場合には、効果を損なわないように液体肥料と別のタイミングで与えましょう。粒状の化学肥料・有機肥料の場合にはいつでも与えて良いです。水やり数回につき1度の頻度で薄めて与えます。

注意点

日当たり

ザミオクルカスはあまり直射日光の当たらない半日陰に自生していることもあり、直射日光に当てると葉焼けを起こして、葉先が黒くなってしまったり、悪化すると葉全体にダメージを受けてしまいます。

図5. 葉焼けの例


剪定

古くなってきた葉はそのまま放置しても大丈夫です。しばらくすると勝手に切り離されます。

ただすぐに見た目を良くしたい場合には、ハサミを入れる場所に注意して剪定を行いましょう。塊根に近すぎる位置で切ったり、ちぎったりしてしまうと、雑菌が塊根に入り込み植物全体が枯れてしまうリスクがあります。できれば葉柄の膨らみよりも先端寄りの位置で剪定してください。

ザミオクルカスの葉柄には、古くなった葉を切り離すことを目的としたような仕切りがあります。この仕切りの少し上で切ることで、雑菌の侵入を抑えることができます。この仕切りは葉が古くなってくると自然と見えてくることが多いです。

図6. 葉柄にできる仕切り(青矢印)と安全な剪定位置(赤破線)


自分らしい育て方で、植物との時間を

初心者でも簡単に育てられるザミオクルカスでも、こだわり始めるとキリがありません。はじめから無理をして長続きしなくなってしまってはもったいないので、まずは気軽に楽しむことが大切だと思います。

慣れてきてもう少し深く付き合ってみようかなと思えたなら色々と調べて栽培方法を模索してください。葉の大きさや色合い、全体の形を調整して雰囲気を変えることができます。ぜひ愛着のある鉢に育ててみましょう。

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