トルコキキョウ。どことなくエキゾチックで、でも淑やかさも感じさせる名前の響きです。その花姿はふんわりとフリルのようにやわらかく、透明感があり、まだまだ続く残暑の季節に涼やかな印象を与えてくれます。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、トルコキキョウはトルコが原産でもなければ、キキョウのなかまでもありません。原産はアメリカ、お花としてはリンドウのなかまです。そういえば、釣鐘型のお花がリンドウと似ていますね。紫やピンクの色合いも、なんとなく雰囲気が近いように思います。

名前のつき方の由来にはいろいろな説がありますが、「トルコ」の部分はお花の形がトルコ帽に似ているから、トルコ石の色を思わせるから、など。「キキョウ」は一重咲きの花姿が、日本で馴染みのある桔梗のお花に似ているからなどといわれています。あわせて、正式な和名は「トルコギキョウ」と濁るのですが、これもまた地域やそれぞれのお店などによっていろいろです。フラワーキッチンでも、お花のやわらかいイメージにあわせ、「トルコキキョウ」と基本的に呼んでいます。日本語っておもしろいですね。

さて、そんなトルコキキョウですが、バラやユリのようにアレンジメントの中で常に主役になるお花というわけではなさそうです。「トルコキキョウのアレンジ」みたいなタイトルにはあまり出てこなくても、いろいろなアレンジメントで出会うことができます。
どちらかというとトップスターから少し引いて、ひかえめにアレンジメント全体の雰囲気を作ってくれるような、頼れる名脇役だと思っています。先にあげたようなバラやユリのゴージャスなイメージの中、やわらかさや優しさを出したいときにトルコキキョウが活躍してくれますし、お祝い花にもお供え花にもきちんとなじみます。

フリルがドレスを連想させ、結婚式でもよく使われます。メインカラーに紫があるのもうれしいですね。パープル系は幅広い世代にとても人気のある色ですが、きれいに紫色が出るお花というのはそこまで多くないのです。深い紫からラベンダーカラーのような淡い色、白いお花の縁だけ紫色になった色合いも、トルコキキョウにはお手のものです。白、ピンク、イエローなどもとてもかわいいんですよ。

魅力いっぱいのトルコキキョウを主役にたっぷり楽しみたいというときには、鉢植えもいいかもしれません。お花だけでなく、つやのある茎や少しふっくらとした葉っぱのようすも楽しんでいただけることでしょう。つぼみの時もかわいくて、白いつぼみが少しずつ紫やピンクに色づいていく時間も本当に愛おしく感じられます。
花言葉は「感謝」「希望」「思いやり」など、気持ちを届けるギフトにもぴったり。優しい愛され花に、ぜひ一度注目してみてくださいね。

トルコキキョウ5号鉢
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