リンドウのおはなし

リンドウ鉢植え

日本の秋によく似合う、リンドウのお花。切り花や鉢植えとしてよく見かけますが、いわゆる温室育ちというよりは、山野草のような野に咲く花のイメージがあります。

よく見るのは落ち着いた深い青紫色でしょうか。じつは色もいくつかバリエーションがあり、深い紫だけでなく、淡い紫、白、ピンクなどをお花屋さんでも見ることができます。色が変わるとイメージも大きく変わり、優しい色合いのリンドウであれば、ひとすじの芯がありつつもかわいらしい雰囲気を見せてくれます。

紫リンドウ

日本や中国、韓国などが原産で、日本のほぼ全域に自生していることが、どことなく和のイメージを感じさせてくれる理由かもしれません。自然のリンドウは群生せず、一本ずつが独立して咲くことが特徴です。凛と落ち着いた上品な雰囲気が、ほかのお花には表現できない個性的な魅力を持っています。
茎を近くで見て触れてみると、竹のように少し繊維を感じるような、しっかりとした手触りが印象的。じつをいうと、この真っ直ぐさはフローリストにとって本当に頼りになるのです。花束に入れても、アレンジメントとしてあしらっても、イメージ通りの仕上がりに一役買ってくれるのです。お花として長持ちするのもうれしいポイントですね。こまめに水換えをすれば、長く花を保ってわたしたちの目を楽しませてくれます。

リンドウアレンジ

秋の和風のお花ということで、秋の行事のお花にはぴったりです。たとえばお月見、すすきやポンポン菊といっしょにあしらえば、野原で摘んできたような花飾りがすぐに出来上がります。リンドウの濃い青紫は、月が浮かぶ夜空を思わせます。山野草のナチュラルな雰囲気は、飾り気のないガラスのコップや小瓶にこそよく似合いそうですね。

敬老の日の華やかなアレンジメントにもリンドウは欠かせません。濃い紫はどんな色とあわせてもコントラストをはっきりさせてくれるので、目にしただけで元気が出るような、鮮やかな秋の色を作り出してくれます。また、リンドウは古く漢方薬に使われていたこともあり、健康や長寿の象徴となるお花ともいわれています。これもまた、敬老の日にぴったりですね。

青リンドウアップ

一般的によくみる花鉢というわけではないかもしれませんが、鉢植えとしても比較的育てやすいので、園芸がお好きな方ならぜひチャレンジしてみていただきたいところです。バラや菊などの大きなお花が多く旬を迎える秋、そっとひかえめに咲くリンドウの鉢植えが優しい癒しの空間を作ってくれることでしょう。もちろん日本の気候に合うお花なので、肩の力を抜いて育てることができます。ぜひお好きなやり方で、リンドウ咲く秋を楽しんでみてくださいね。

リンドウ鉢

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