弔意を伝える「胡蝶蘭」の選び方：失敗しない【法人ギフト・喪中見舞い】のマナー

「喪中見舞い」のはがきを受け取られ、遠い空の故人に想いを馳せ、心を痛めていらっしゃる方もいることでしょう。特に故人やご遺族と長くお付き合いのある場合、法人ギフトとして正式な弔意を表したいと考えるのは自然な心遣いです。

「フォーマル」な場にふさわしい格調の高さと、「お祝い」のイメージが強い胡蝶蘭を、いかに「お供え」としてふさわしく贈るか。胡蝶蘭を「喪中見舞いのお供え花」として贈る際の、一歩踏み込んだマナーと心遣いを解説します。

胡蝶蘭は、その優雅さ、花粉や香りが少ない特性から、弔事の際にもご遺族の負担になりにくい最上級の「お供え花」となります。あなたの静かな想いを、胡蝶蘭に乗せて、優しくお届けしましょう。

１. なぜ胡蝶蘭は「喪中見舞い」の法人ギフトに最適なのか

「胡蝶蘭＝お祝い」というイメージが強いですが、実は弔事の「お供え」としても非常に優れています。特に法人ギフトとして選ばれるには、明確な理由があります。

胡蝶蘭の整然とした佇まいは、どのようなフォーマルな場においても失礼にあたらず、贈る側の品格を伝えます。これは、企業間のお付き合いにおいて、弔意を丁重に伝える上で重要な要素です。大輪の胡蝶蘭は、ご遺族の心を静かに支える存在となります。

・長持ちする：適切に管理すれば数週間から一ヶ月以上咲き続けるため、忙しい年末年始にご遺族が頻繁に水やりをする手間を省けます。

・花粉・香りが少ない：花粉が飛び散って部屋や仏壇を汚す心配がなく、強い香りによる体調への影響も少ないため、ご高齢のご遺族や小さな仏間にも安心して飾っていただけます。

「供花」として贈られた胡蝶蘭は、故人の魂の安寧を祈りつつ、ご遺族の負担を最大限に軽減するという、優しい配慮を兼ね備えているのです。

「お祝い」のイメージを払拭し、「喪中見舞い」として弔意を伝えるためには、「色」と「立て札」に細心の注意が必要です。

喪中はがきが届く時期は、故人が亡くなられてから日数が経過している場合が多いですが、弔事における胡蝶蘭の基本は以下の通りです。

一般的には「白一色（白無垢）」：
四十九日を過ぎていても、故人の逝去から日が浅い場合や、宗派・ご遺族の慣習が不明な場合は、純白の胡蝶蘭を選ぶのが最もフォーマルで間違いありません。

淡い色を取り入れる場合の配慮：
故人がお花が好きで、ご遺族と親しい間柄であれば、薄いピンクや淡い紫などの落ち着いた色味を少量含んだ品種を選ぶことも可能です。ただし、紅白を連想させる「赤リップ」（白い花びらに赤い唇のような模様）の品種は、慶事を連想させるため、弔事では避ける事が一般的です。

ラッピングの色：
胡蝶蘭を包むラッピングやリボンは、白、薄紫、淡い緑など、落ち着いた控えめな色を選んでください。お祝い用の華美な金色や赤色は厳禁です。

ご遺族が誰からの「お供え」であるかを明確に把握し、後々のお礼の際にも役立つよう、立て札は必須です。

記載場所	記載内容	留意点
表書き	「御供」「御供物」「供」	「お祝い」と誤解される「祝」や「贈」は絶対に使用しません。「御仏前」（四十九日後）や「御霊前」（四十九日前）は宗教や時期が関わるため、「御供」が無難です。
贈り主名	会社名＋役職＋氏名	法人として贈る場合は、会社名と代表者名や部署名を記載します。個人名のみの場合も、失礼のないようフルネームが一般的です。

【例】
御供
〇〇株式会社
代表取締役〇〇太郎