中秋の名月のおはなし

中秋の名月のおはなし

中秋の名月。とても秋らしい、美しい言葉です。きょうは少ししっとりと、お月さまのおはなしをいたしましょう。
秋といえばお月見、イベントやお月見メニューも、盛夏を過ぎた9月ごろからよく見かけるようになります。うさぎと月のイラストも、9月のカレンダーなどに描かれることが多いように思います。

月とすすき

日本の伝統的な行事ではありますが、現代においても、月見バーガーや月見うどんなど楽しみ方がたくさんありますよね。「月見」という名前のつく食べ物には、卵を満月になぞらえたものが多いです。さらに、お月見といえばお団子のイメージも強く、しらたま団子を乗せたようなスイーツもどことなくお月見を感じます。秋に旬を迎えるさつまいもや栗とも間違いない組み合わせですね。

うさぎのお饅頭

おいしいおはなしに逸れていってしまいました。中秋の名月のおはなしに戻りましょう。中秋の名月とは、旧暦で8月15日の月のことをいいます。旧暦では、7月から9月を秋とするため、8月15日はちょうどその真ん中。秋の真ん中の月、ということで中秋と呼ばれます。

また、名月は「際立って美しい月」のような意味合いですが、これは秋の気候、空気の状態や満月ののぼる高さのバランスが取れていて、ほかの季節に比べて月がきれいに見えることからきています。太陽とは反対に、月は冬に高く夏に低い空を通りますが、秋にはちょうどその間のちょうどいい高さに来てくれるということです。なお、春は空気中の花粉や埃で少し霞んで見えることが多く、これはこれで「朧月夜」という趣があります。どちらにも美しさを感じ取ることができる感性は本当にすてきですね。

おぼろ月夜

さて、旧暦で8月15日ということなのですが、現代の暦ではいつなのかというと、年によって大きく変わります。2025年の中秋の名月は10月6日。だいたい9月から10月の初めにかけてのどこかでやってきますが、2022年には9月10日と、1か月近く日程が違っています。また、中秋の名月は必ずしも満月というわけではなく、2025年10月の満月は、中秋の名月前夜の10月5日となります。

秋のお月さまをイメージする言葉として「十五夜」という言い方もありますが、実は十五夜は旧暦の新月から15日目の夜のことをあらわす言葉であるため、十五夜自体は秋にかぎらず毎月やってきます。なお、月見団子が山型に盛りつけられているイメージがありますが、十五夜にちなんで15個のお団子を山型にする説もあるようです。ススキやお酒といっしょに飾ると、季節を感じる美しいあしらいになりますね。

月見だんご

普段はなかなか月を見上げる機会がなくても、いたるところでお月見を思い出させてくれるこの季節。10月6日の夜、いっしょにお月さまを見上げてみませんか。晴れるといいですね。

タイトルとURLをコピーしました