紫陽花のおはなし

紫陽花のおはなし

ゴールデンウィークが終わり、6月が近づくと、紫陽花の姿を目にすることが急に多くなります。それは6月をあらわすイラストだったり、お店の飾りつけだったり、食べ物のパッケージだったり。春の桜や夏のひまわりと同じくらい、6月の紫陽花はたくさんの人の季節のイメージにしっかりと根付いていることでしょう。

実際に外を歩いてみると、紫陽花の花を思いの外多く見かけます。お花が咲くまで気に留めていなかった近所のお庭の植栽が、この季節になって花をつけ、紫陽花だったと気がつくことも。曇り空の多い6月ではありますが、紫陽花のお花が咲いている場所にはふんわりと光が当たるようにも感じられます。

道端の紫陽花

紫陽花と漢字で書くとわかるように、やはり紫色のイメージが強いお花です。他には、ブルー、ピンク、グリーン系、結婚式では白の紫陽花もとても人気です。色が移り変わることから心変わりを連想され、一昔前にはウエディングの場で少し敬遠されていたこともある紫陽花ですが、今では小さなお花が集まるような姿が「家族団欒」を連想させ、またナチュラルで優しいイメージもあるので、花嫁さんのブーケや会場装花にもよく使われます。ドレスにも着物にも似合う、本当に幅広く楽しませてくれるお花です。

紫陽花のブーケ

色のバリエーションはあるものの、「赤!」「青!」のような原色は少なく、くすみのある優しいカラーが印象的。また、ひとつのお花の中でもグラデーションが美しい品種もあります。お庭などに地植えにしていると、ひとつの株にいくつもお花が咲くのですが、咲き具合によって色合いが変わり、そこでも段染めのような花色を楽しむことができます。お花が大きいので、その色合いが目に入りやすいのもいいですね。蕾のグリーンから、だんだん花びらが染まり、大きく花が開くまで。成長のすべての瞬間が、梅雨空の街を彩ってくれるのです。

色とりどりの紫陽花

ところで、紫陽花の「お花」とお伝えしていますが、紫陽花のお花に見えている部分は花を支える「がく」が変化したもの。本当のお花は、4つに分かれたがくの真ん中に、小さくちょこんと咲いています。実際の紫陽花をよくみると、虫眼鏡などを使わなくても、真ん中に小さなお花があり、おしべやめしべと思われる部分も見つけることができるでしょう。がくはお花と違って散ることがないので、花どきがおわってもしばらくの間形をキープするため、長くお花が咲いているように見せてくれます。そのままドライフラワー(実際にはほぼドライがくですが)にしても、形が残りやすいのも特徴です。

紫陽花の花

このように、地植え、切花、ドライフラワーと、紫陽花はその色がわりと同じように、たくさんの姿でわたしたちの暮らしの中に咲いています。その中でも、雨粒が優しく光る紫陽花はやはり格別。これから来る梅雨のために、お近くの紫陽花スポットを探し始めてもいいかもしれません。

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