シャクヤクのおはなし

シャクヤクのおはなし

シャクヤクのお花といえば、ふんわりとした花びらが重なる、大きな花姿。シベリア、中国、モンゴルの原産で、「シャクヤク」という響きからも、なんとなくではありますが、フリルのドレスというより、絹が何層にも重なった漢服のイメージの方がしっくり来るような気がします。色の名前も、「ピンク」というより「薄紅色」と呼びたくなるような。細身の葉っぱも、なんとなくオリエンタルな風を感じていいですよね。じつはつぼみもかわいくて、手鞠のようにまんまるでころんとしています。花どきは初夏。広い場所にたくさん咲いていたら、それはそれは桃源郷のような美しさでしょうね。

シャクヤクの咲く野

漢字で書くと「芍薬」となり、「薬」の字がついているとおり、漢方薬としても広く知られています。葛根湯や芍薬甘草湯など、聞き馴染みのある漢方薬にも使われるようです。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という有名な言葉がありますが、これも漢方薬の使われ方に由来するという説があります。「気が立ってしまう時には芍薬」「血の巡りが悪くなった時には(座りっぱなしなど)牡丹」「歩く時に足元がふらついてしまうような時は百合」をそれぞれ漢方薬として用いるといいのだとか。

漢方としてのシャクヤク

もちろん、女性の美しさの表現として、「上を向いて咲く芍薬のように、すらりと姿勢のいい立ち姿」「枝分かれして咲く牡丹のように、しとやかな座り姿」「風に吹かれて揺れる百合のように、しなやかな歩き姿」をたとえた言葉でもあります。昔ながらの奥ゆかしい雰囲気がすてきな言葉です。

ここでもセットで出てくるボタンですが、シャクヤクもボタン科の花であり、花の雰囲気も似ています。見分けがつきやすいのは葉っぱで、シャクヤクは細くてつやがあり、ボタンはギザギザとしてつやがない、菊の葉のようなイメージです。また、お花の終わりにも違いがあり、シャクヤクはツバキのように開花した形のままで落花しますが、ボタンは一枚ずつ花びらを散らします。

ボタンの花

シャクヤクの英語名は、「ピオニー」というかわいらしい響き。これもまた、香水やハンドクリームなどの香りとして耳にすることの多い名前です。そしておもしろいのが、ボタンの英語名もまた「ピオニー」なのです。香りに特徴があるのはシャクヤクのほうなので、前述したように香りの文脈で出てくるときには、おそらくシャクヤクのことを指しているのでしょうね。また、体感ではありますが、お花屋さんで切り花として扱うのもボタンよりシャクヤクの方が多いので、「ピオニー」という名前でお花屋さんで売られているのもシャクヤク率が高いようにも思います。これはどっちかな?と思ったときには、目の前のお花やイラストに描かれた葉っぱに注目してみてくださいね。

シャクヤクアップ
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