観葉植物の害虫対策ガイド|見つけ方・予防・駆除の方法まとめ

観葉植物を室内で育てる際、害虫は避けて通れない問題です。小さなハダニやカイガラムシは葉の裏や新芽に潜み、気づかないうちに植物を弱らせます。本記事では、害虫の見つけ方から、葉水や掃除、薬剤を使った予防・駆除まで、初心者でも実践できる対策をわかりやすく解説。健康な観葉植物を維持するためのポイントを丁寧に紹介します。

害虫とは

観葉植物に悪さをする虫と、見た目がよろしくない虫、どちらも害虫と呼ばれます。特に葉や茎から汁を吸う害虫(吸汁性害虫)は、室内でも発生し観葉植物を弱らせてしまいます。購入したときには付いていなくても、人の出入りや換気によって小さな虫やその卵が居住空間に入り込むため、予防を怠ると気がついたら突然増えていることがあります。

吸汁性害虫は大部分がとても小さく、葉の裏などに隠れているため、よく目を凝らしても見えないことがあります。初心者は観葉植物の色がおかしくなったり、萎れてきた段階で遅れて気が付くことが一般的です。絶対に居ると意識してじっくりと見回しても見つけられないこともあります。

害虫はカビやウィルスを媒介することもあり、放置すると植物が枯れてしまうことがあります。そのため予防と早めの対処が必要です。


室内の植物は害虫の影響を受けやすい

吸汁性害虫の多くは、柔らかく栄養が多い部分を好みます。このため茎よりも葉を好み、そのなかでも柔らかい葉の裏側から汁を吸うことが多いです。葉の裏側は、苦手な雨水が当たりにくいため、ハダニやアブラムシといった害虫にとって活動しやすい場所です。

室内で観葉植物を育てる際に、熱帯雨林の雨のように水をかけることはなかなか難しいです。さらに天敵となる昆虫や鳥も来ません。そのため、害虫に対抗できるのは植物自身の免疫(外敵に対して樹液の成分や細胞壁で防御する機能のこと)のみで、これで防ぐことができないと爆発的に増えてしまうことが多いです。そのため人が手助けしてあげることが大切です。

植物の免疫は、植物の健康状態が悪くなっているとなかなか機能しません。鑑賞性を重視して光、水、栄養、風通しの条件が合っていない場所に置いている場合は免疫が弱くなります。少し無理をさせていると感じるなら、なおさら害虫予防が大切です。


害虫がいるときの特徴

害虫のほとんどは小さいですが、よく見ると見つけることができます。また、葉の様子か害をうけていないか判断できます。

葉の全体が白っぽくなる

汁が吸われた部分は葉緑体がなくなり、緑色が抜け白く見えます。非常に小さな白い点や小さな線ができるため、遠目でみると葉の全体が白っぽくなって見えます。よく近づいてみてみれば、まだら模様が見えるはずです。 この葉の特徴があるなら、吸汁性害虫であるハダニ、スリップスなどが活動している可能性が高いです

蜘蛛の巣のような糸がついている

ハダニは糸を出して生活しています。蜘蛛の巣ではなさそうだけれども何かの糸がついているときにはハダニの可能性が高いです。

葉に小さな点がある

葉に小さな点があり、近くでみたとき立体的なときは、害虫かそれの糞である可能性が高いです。ハダニはほぼ円形で緑、黄色、赤、黒など多様な色があります。スリップス(アザミウマ)は細長く、白や黄色、黒です。ハダニやスリップスはよくみると動いています。円形で黒く動かないものはハダニやスリップスの糞かもしれません。

葉や茎にふわふわした白い塊がついている

コナカイガラムシは綿のようなものを作り出します。葉の裏側や茎などに小さな綿上のものが付いていればコナカイガラムシの可能性が高いです。

葉や茎にツルツルした茶色くて平たい円形のものがついている

ヒラカタカイガラムシは茶色い円形のカイガラムシでツルツルしています。これは葉の特に葉脈につくことが多いですが、それ以外の葉の部分や茎にもつくことがあります。

葉の表面がべたついている

カイガラムシ等の排泄物がたまるとべたべたした葉になります。この分泌物にカビが生えることで「すす病」が発生しやすいです。



害虫が発生していたら

  1. ①害虫と思われるものをティッシュ等で取り除ければ取り除く
  2. ②深刻なダメージを受けている葉や枝があれば除去する(例えば、全体が白くなった葉、べたべたになった葉など)
  3. ③シャワーで植物全体を洗う
  4. ④霧吹きを葉の根元や枝分かれしている部分などに吹きかけて洗う(新芽などの繊細な部分は水圧に注意する)
  5. ⑤水気をなくす
  6. ⑥噴霧するタイプの薬剤を使う

成虫を除去・洗浄できていれば、あとは残留した卵から出てくる幼虫への対処になります。そのため、成虫に対応した強い薬品でなくてもよく、ベニカXのような予防目的である弱めの薬剤で十分対応できます。

薬剤を使う際は、使用上の注意をよく読み、換気のよい場所で使いましょう。過剰になると葉が変形したりする場合があるため適量を使用しましょう。木酢液が推奨されることもありますが、アルコール分が抜けたあとに残る有機物が雑菌やカビが増える原因となるほか、酸が観葉植物に悪影響を及ぼす場合があります。そのため、室内で使用する場合は使用後の数日後に洗浄が必要になります。なるべく害虫用に開発された適切な薬剤を使用しましょう。

培養土に混ぜたり置いたりして使う薬剤もありますが、こちらは使用してから吸収されるまで少々時間がかかります。害虫が発生した直後には効果の早い噴霧するタイプの薬剤がおすすめです。土に使うタイプの薬剤はすこし間隔をあけて使用しましょう。同時に複数の薬剤を使用すると異常をきたす場合があります。


害虫の予防

定期的な観察と洗浄が最も有効です。あわせて薬剤も使いましょう。

葉水

葉の裏側や、新芽、葉の根元の隙間などまんべんなく植物全体を濡らすようにしっかりと水をスプレーしましょう。このとき、植物の見た目が変わっていないか、調子を崩していないか、変なものが付いていないかどうかを確認しましょう。 カイガラムシは葉水だけでは取れません。葉水の際に見かけたら取り除きましょう。

掃除

種類によっては新芽を保護するための殻が付いていたりします。この殻は害虫の隠れ家になることがあるため、傷つけないように取り外しましょう。また、枯葉や古くなった葉もなるべく取り除きましょう。

通気

室内で風が循環していると、ある観葉植物で発生した害虫が他の観葉植物へ飛び移りやすくなることもあります。これだけ考えると風はよくないもののように思えますが、植物の健康のためには通気は重要です。無風状態だと葉の周りに古い空気の層ができてしまい、窒息してしまいます。適度に風を循環させることで植物の健康を維持して、免疫が適切に機能するようにしてあげましょう。

植物に合わせたメンテナンス

最も大事なのは、植物が健康であることです。水やりが不足・過剰している、室温が低温・高温、光が不足している、栄養が不足している・過剰であるとき植物の状態は悪くなります。観葉植物の種類と土の種類に合わせたメンテナンスが重要です。

予防のための薬剤

葉水でもある程度予防になりますが、薬剤を施しておいた方がいい場合もあります。葉水で予防できないカイガラムシが付きやすい品種を育てている場合、野外の植物に病気が増えているなどの理由で部屋に害虫が多く入りそうな場合、などは早めに薬剤を使用しておいたほうが無難です。

無機質の土を使う

ハエのような人が嫌う不快害虫の発生を防ぐためには無機質の土を使うことが有効です。一般的な観葉植物用の培養土には大量の腐葉土等の有機質が入っており、これがハエを発生させる原因になります。無機質の土と化学肥料や液体肥料を組み合わせることで、不快害虫の発生を防ぐことができます。




予防と対処を知っても害虫が怖い方におすすめの観葉植物

光沢のある硬い葉の観葉植物は害虫に強い物が多いです。

具体的には、サンセベリア、ガジュマル、フィカス・レツーサ、ストレリチアなどがおすすめです。



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