心穏やかに新年を迎えるために:失敗しない「年末」「年越し」の「お供え花」の選び方・買い方

年の瀬が迫ると、私たちは大掃除や新年の準備に追われますね。そんな慌ただしい時期だからこそ、手を止め、故人やご先祖様に感謝の気持ちを伝える「お供え」の準備を丁寧に行いたいものです。

特に、お正月を迎えるための「お供え花」や「仏花」は、年末に必ず用意しなければならない大切なもの。しかし、年末は花屋さんが混み合い、価格も高騰しがちです。「どんな花を選べば長持ちし、失礼にあたらないのだろう?」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、年末から年越しにかけて、故人の魂が安らかに新年を迎えられるよう、失敗しない「お供え花」の選び方と、賢い買い方のヒントを、優しい心遣いとともにお届けします。

1. なぜ「年末」の「お供え花」は特別なのか

「お供え花」は一年を通して欠かせませんが、年末に用意するものは特別な意味を持ちます。

故人とご先祖様をお迎えする準備

年末年始は、私たちがお正月を祝う準備をするのと同様に、故人やご先祖様を丁寧にお迎えするための準備期間です。一年間の感謝を込めて、古くなった仏花を新しいものに取り替え、清らかな気持ちで年越しを迎えることが大切だとされています。

長く美しさを保つ必要がある

年末に購入した「お供え花」は、最低でも三が日(1月3日)まで、できれば松の内(1月7日頃)まで、美しい状態を保つ必要があります。

この時期は寒さで水が冷たくなりますが、暖房の効いた室内では生花が傷みやすいため、「花持ちの良さ」を最優先に選ぶことが賢明な判断となります。


2. 失敗しない「年末のお供え花」の選び方【花持ち優先】

お花に詳しい皆様は、見た目の美しさだけでなく、その耐久性にも着目して花を選びましょう。特にこの時期は、古典的な「仏花」の定番が、その花持ちの良さから改めて推奨されます。

長く美しい定番の花材

おすすめの花材理由と花持ちの良さ年末ならではの配慮
菊(ピンポンマム含む)抜群の花持ちと耐久性。「仏花」の定番であり、最も長期間美しい状態を保ちます。洋風のピンポンマムなら、モダンな供養の空間にも違和感なく馴染みます。
胡蝶蘭・シンビジウム・蘭寒さに比較的強く、優雅で格調高い。花粉も少なく、仏壇周りを汚しにくいです。切り花やアレンジメントでもおすすめです。
葉牡丹冬の寒さに強く、日持ちが非常に良い。その姿が福を呼ぶとされ、正月飾りにも用いられます。紅白の色合いを選べば、華やかさとともに清らかさを演出できます。
葉物(松、千両、柳など)水が下がる心配がほぼなく、お正月の雰囲気を添えてくれます。千両は「実物」として、新年への願いや繁栄を象徴する縁起の良い花材です。


年末のお供え花で避けるべき花

お正月の飾りには使えても、「お供え」として避けるべき花もあります。

水が下がりやすい花:チューリップ、フリージア、スイートピーなど、暖房の影響で水を吸いにくくなり、短期間で頭が垂れてしまう花は避けましょう。

トゲのある花:バラは、お供えとしてのマナーから避けるのが一般的です。

香りが強すぎる花:ユリ(特にカサブランカ)は、部屋に香りが充満する可能性がありますので香りを気にする場合には避けましょう。



3. 「年末」の賢い「お供え花」の買い方と手配術

年末は市場が閉まるため、花屋さんは仕入れを前倒しで行います。その結果、価格が高騰し、希望の花材が手に入りにくくなる傾向があります。

購入の「最適な日」を知る

お供え花を最も安価に、かつ新鮮な状態で手に入れるためには、「クリスマスの直後」が狙い目です。

12月26日〜28日頃:クリスマス需要が落ち着き、お正月需要が本格化する直前のこの時期が、比較的価格が落ち着いており、質の良い花材を選べるチャンスです。

12月30日以降:この時期になると、花屋さんは大晦日に向けての最終準備に入り、希望の花材が揃わなかったり、価格が高値になる事も懸念されます。


予約とセット商品の活用

お花に詳しい方であれば、あえて定番の「仏花」セットではなく、長持ちする花材を指定してアレンジメントを予約するのもおすすめです。

「年末の仏花セット」の予約:事前に花屋さんに、菊や葉牡丹など日持ちする花材をメインにしたお供え用のアレンジを予約しておけば、当日焦ることもなく、質の高い花を手に入れられます。

中級者向け:一対ではなく一基で:仏壇の両脇に飾る「一対(二基)」が正式ですが、ご自宅の仏壇が小さい場合や、ご予算を抑えたい場合は、一基(一つ)を中央に供えるだけでも、心は十分に伝わります。


専門店での購入も視野に

年末年始は、スーパーやホームセンターでも仏花の取り扱いが増えますが、鮮度や花材の耐久性という点で、やはり地域の信頼できる花屋生花専門店での購入が安心です。専門店であれば、用途を伝えればそれに合わせたラッピングや、日持ち対策を施してくれます。


4. 長く清らかに保つための「年越し」前のひと手間

せっかく年末に選んだお供え花を、清らかな状態で年越しさせるために、ぜひひと手間を加えてみてください。

水切りを徹底する:
持ち帰ったらすぐに、茎の先端を水中で斜めにカットする「水切り」を必ず行ってください。これは、お花が水を吸い上げる力を最大限に回復させるための最も重要な作業です。

延命剤(切り花栄養剤)を使用する:
延命剤には、水の腐敗を防ぎ、栄養を与える効果があります。特に年末年始の長い期間、水を清潔に保つために、積極的に使用してください。

飾る場所を考える:
暖房の風が直接当たる場所や、エアコンの真下は、乾燥で花が早く傷む原因となります。仏壇周りでも、直射日光や乾燥した風が当たらない場所を選んでください。



5. 最後に:穏やかな心で新年を

年末お供え花の準備をすることは、故人への感謝と、ご先祖様への敬意を表す大切な時間です。

慌ただしさの中に年越しを迎えることになっても、あなたが心を込めて選んだ花々は、きっと仏壇や供養の場を静かに清め、故人の魂を安らかに迎えてくれるでしょう。

この一年の無事を感謝し、穏やかな心で新しい年を迎えられますように。

【おすすめ】お供え花特集はこちら!

タイトルとURLをコピーしました