モンステラを健康に育て、長く楽しむためには定期的な植え替えが欠かせません。植え替えの主なタイミングは、鉢の中で根がいっぱいになったときや、古い土が劣化して根の生育に影響が出始めたときです。
さらにモンステラの場合は、それらに加えて「崩れた樹形を整えるため」に植え替えを行うことも多くあります。
この記事では、初心者の方でも安心して実践できるように、モンステラの植え替えのポイントや手順をわかりやすく解説します。
どんなときに植え替えをするのか?
モンステラの植え替えが必要になる条件は以下の通りです。
1. 鉢が根でいっぱいになったとき
2. 土が古くなったとき
3. 樹形がくずれた・置き場所に合わなくなったとき
鉢が根でいっぱいになっているかどうかは、鉢底を見れば分かりやすいです。鉢の穴やスリットにぎっしりと根が見えたら植え替え時です。すこし根が見える程度は問題ありません。もし分かりにくければ、鉢から抜き出し確認してから戻しても大丈夫です(半年に一回程度で十分です)。
どのような土なのかによりますが、基本的には3年程度で粒が潰れて根が呼吸しにくくなったり、有機物が腐敗し始めて衛生状態が悪くなったりすることで、根の健康状態が悪くなる土になってしまいます。そのため、3年を目安に植え替えをしましょう。
モンステラの場合の樹形が崩れた場合というのは、茎が横に広がり過ぎてしまった状態を指します。これは好みによりますので、横広がりや枝垂れるように仕立てたい方は、そのまま育ててください。
植え替えの手順
樹形が崩れてしまったモンステラが見つからなかったので、一般的な樹形のモンステラを植え替えてみます。

古い土を取り除く
まず鉢からモンステラを抜き出して、土を取り除きます。
振り落としてもなかなか取り除くことができません。また、激しく動かすと茎が傷んでしまいます。そのため、水の入ったバケツに入れてほぐしてあげると、根を傷つけないように土を取り除くことができます。
土を取り除くことが必ずしも必要ということはないです。土が古くなってしまっていたり、一部の根が腐ってしまっている場合にはなるべく除去したいです。また、もともととは違う土に植え替えをする際にもなるべく古い土を取り除きます。

土を取り除いた後は、痛んだ根を取り除きます。黒ずんでいたり、柔らかくなっている根があれば腐ってしまっています。ハサミを使って取り除きましょう。
根を整理する
さらに、太めの根の先端を少し切り落としましょう。こうすることで、新しい根が出やすくなり円滑に新しい土に馴染むようになります。新しい鉢に対して長すぎる根はある程度切り落としてしまって大丈夫です。
モンステラは環境さえ気をつければ根が全くなくても根が出てきます。一般的なご家庭でもある程度根が残っていれば比較的安全に植え替えを行うことができます。(極端な乾燥状態や無風状態、光不足、植え替えに使う土が不衛生な場合には、根がしっかり残っていても植え替えが失敗する可能性が高いです。)
鉢に植える
基本的に観葉植物は定期的な植え替えが必要です。そのため、植える鉢は植え替えする際に植物を取り出しやすいものが適しています。陶器のような鉢ではなく、変形させたり切りやすいプラスチックの鉢がおすすめです。さらに、根の健康状態に配慮すると、特にスリットの入った多角形のプラスチック鉢がおすすめです。
植え替えに使う土は、市販の観葉植物用の土で構いません。ただしっかりと丈夫に育てたい場合には、肥料を含まないものが特におすすめです。肥料がたっぷりと入った土だと、植え替え後の根の張りが遅くなってしまい、その間に状態を崩してしまうことがあります。肥料はあとから追加できますので、まずは肥料を含まない土を使うと健康的に植え替えができるでしょう。
土を除去して根を整理したモンステラを、スリット鉢に入れます。新芽を鉢の中央に合わせるように場所を調整します。また高さは、もともと根が生えているところよりも1節分上が土の表面になるくらいにします。


モンステラと鉢の位置を調整したら、土を入れていきます。
鉢の上から1−2cmは土を入れずに使います。これはウォータースペースといい、水を浸透させる際に便利な仕組みなのですが、土の水捌けがいい場合には不要です。

ウォータースペースをつくるように土を入れたら、鉢の縁を割り箸などの棒を刺して締めていきます。

鉢を一周するように土を締めると、土が落ち込むのでその分の土を足してください。

葉を剪定する
古い葉を残すことで問題になることはなかなかありませんが、慣習的に葉を何枚か剪定することが多いです。これは、植え替え時には根が減っていて傷もできているため、葉からの蒸散とのバランスが悪くなっていることがあり、葉を減らすことで根と葉の負担を調整します。ただし、湿度を十分に保てる環境であれば、蒸散を抑えるための剪定は必ずしも必要ではありません。
しかし、モンステラの場合には、古い葉を落としておいたほうが新しい葉が出やすくなるため、そういった意味では剪定しておいた方がいいでしょう。葉の動きと根の動きは対応していますから、根の張りもよくなります。
さらにモンステラは、新しい葉になればなるほど特徴的になりますので、植え替え後だけでなく、定期的に剪定を行うと良いかもしれません。

植え替え後のメンテナンス
植え替えを行った後は、薄めの活力剤を入れた水をたっぷりとかけます。土の粒子が鉢底から出てこなくなるまでしっかりとかけます。その後、しっかりと水を切ります。
強い光の当たらない、半日陰で管理しましょう。もし60%よりも湿度が低い場合には、モンステラ全体を透明なポリ袋にいれて1,2週間管理してください。ポリ袋を外す際は、袋の口を段々と開けるように数日かけて室内の環境に慣らしていきましょう。
鉢が乾いたらまずは水をあげましょう。そして、次に乾いた時には薄い栄養剤を水に溶かして与えてください。活力剤、水、栄養剤、水のように周期的にあげましょう。置くタイプの肥料を与える場合には植え替えから2か月くらい待ってから使用するといいです。
まとめ
モンステラを元気に育てるためには、定期的な植え替えがとても大切です。根詰まりや古い土を放置すると生育が弱まってしまいますが、適切なタイミングで植え替えを行うことで、新しい根や葉がいきいきと育ちます。
植え替えは少し手間に感じるかもしれませんが、基本の手順を守れば初心者でも安心です。モンステラの育て方の中でも大切なポイントとして、植え替えを習慣にして、美しく元気な姿を長く楽しんでください。

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