七夕のおはなし

七夕のおはなし

梅雨空の続く季節ですが、もうすぐ七夕がやってきます。なんとなくキラキラの星空のイメージがあり、夏のはじめのすてきなイベントとして、こどもから大人までそれぞれに楽しむことができますね。

七夕のいわれにも諸説ありますが、多く知られているのは織姫と彦星の物語でしょう。

機織りが上手な女性の織姫と、牛飼いの彦星の二人はとても仲のよい夫婦でしたが、仲良しすぎて仕事が手につかなくなってしまいます。機織りをしないのでみんなの服がボロボロになり、牛のお世話をしないので牛が病気になってたくさんの人が困ってしまったとのこと。それを見かねた天帝が、天の川のあちら側とこちら側に二人を別れさせ、7月7日だけ会うことを許したといわれています。

笹の葉と天の川

仲よし夫婦の立場からすると、なかなかに厳しい対応だと感じてしまいますが、星の川で隔てられた二人が一年に一度だけ会えるというのはなんだかロマンチックでもあります。

日本では梅雨の真っ只中に重なることが多いので、七夕の日に星空が見えるだけでもとてもラッキー。雲が広がる雨の日ならば、1年ぶりに会えた二人のうれし涙だと伝えている地方もあるそうです。

最近では、ロマンチックな七夕伝説のイメージから、「恋人の日」としてイベントになっていることもあります。冬のバレンタインデーと同じように、恋人や推し、大切な人とゆっくり過ごすのもいいかもしれません。夏のレジャーシーズンのスタートとして、遊びに行く計画を立てるのもすてきですね。

もちろん花屋としては、夏らしい爽やかな花束のプレゼントもおすすめします。ブルースターやスターチスといった、「星」にちなんだ名前のお花を集めてみるのも楽しそう。ミニバラやスプレーカーネーションなど、小柄なお花を組み合わせると、天の川の星たちのイメージがふくらみます。

ブルースターの花束

色とりどりの短冊に願い事を書いて、笹に結びつける風習は、幼稚園や小学校、はたまたショッピングモールなど、たくさんの場所で現代でも続いていますよね。

もともとは、機織りがじょうずな織姫にあやかって、女性たちが針仕事の上達を祈る行事であったようです。そこから、書道や詩歌の上達など、諸芸にかかわる願いごとをするようになり、今ではたくさんの願いごとや夢を載せた笹をさまざまな場所で見ることができます。せっかくの願い事ですから、どんなジャンルのことであっても、遠慮せずのびのびと描きたいものです。

七夕かざり

夏の夜風で笹の葉がさらさらと音を立てるのに耳を澄ませると、ほんの少しでも涼しげな響きを感じることができそうです。季節のイラストでは、蛍の光といっしょに描かれることも多いですね。川に蛍、空に星、幻想的で美しい夏の風物詩です。

タイトルとURLをコピーしました