ドウダンツツジのおはなし

ドウダンツツジのおはなし

ドウダンツツジをご存知ですか?
夏にはまさに「新緑」というイメージの明るく鮮やかなグリーン。紅葉はすばらしい茜色に葉を染める美しい木です。
じつは、植物が好きな人には大人気の、初夏から秋のシーズンを代表するグリーンのひとつです。

漢字で書いた「灯台躑躅とうだいつつじ」が音を変えて「ドウダンツツジ」と呼ばれるようになったとか。この「灯台」は海で光っている灯台ではなく、ろうそくを置く台のことだそうで、すっと伸びたまっすぐな枝分かれや、白いかわいい花が、灯りやそれを置く台を連想させたといわれています。

ドウダンツツジの花

その花は4月から5月にかけてが全盛期。花をつけるのは、おもに外に植えられているドウダンツツジです。花はスズランのような形の白い花で、小さな花がたくさん咲く様子から、ドウダンツツジに「満天星」の字をあてることもあります。とてもすてきですよね。

とても丈夫で剪定もしやすい植物なので、屋外に地植えされているところもよく見かけます。前述したように、季節のうつりかわりとともに葉色の変化を楽しめる植物なので、いつも通る道にドウダンツツジがある人はとてもラッキーですね。樹形も整えやすいので、庭木や公園、ビルなどの植え込みに使われることも多いです。

通勤路のドウダンツツジ

しかしながら、おすすめの楽しみ方はなんといってもインテリア。切り枝を花瓶にさして飾るのが本当におしゃれです。グリーンの品種にもよりますが、基本的にはたっぷりのお水で育てれば、じつはそこまで育てるのが難しいものでもありません。

もちろん、飾っているうちに葉っぱが落ちてきますが、それも季節ならではのもの。そして、もし選べるのならば、ドウダンツツジは枝の様子がとてもきれいなので、中が見える透明なガラスの花瓶に飾ってみていただきたいところ。グリーンの美しい夏前後の時期には、その涼しげなようすが心にひとすじの風を吹き込んでくれるようです。

ドウダンツツジのある部屋

ドウダンツツジのような枝物との出会いは、切花以上に一期一会を感じます。枝自体が大きく、そのようすをじっくり見ることができるというのもありますが、同じ品種の植物であっても、枝によって本当に個性がさまざまなのです。すらりとまっすぐな枝もあれば、やわらかく曲線を描く枝も。豊かに葉っぱをつけた枝も、軽やかに余白のある葉っぱのつき方の枝も、どの出会いもその時だけのスペシャルなものです。

出会った枝の個性を丸ごと楽しめてしまうような気持ちの余裕を与えてくれるのも、枝物の人を癒す力のひとつかもしれません。お花屋さんで枝物をじっくり選ぶという時間をつくれば、もうインテリアグリーン上級者ですね。

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