#19 あじさいの花のお話
虹、コットンキャンディー、万華鏡、メロディー、ダンスパーティー、雨の物語。
突然ですが、このすてきな言葉たちをご存知でしょうか。
これはすべて、あじさいの花の品種の名前です。
雨の多い梅雨のシーズン、雲でいっぱいの少ししっとりとしたお天気の時にも、街角で見つければそこだけ光が当たったように、ぱっと心が明るくなるあじさいの花。
どちらかというと、きらきらとした晴れの日よりも、むしろ雨の日が似合います。
日本の気候で育ちやすいことから、鉢植えやお庭での地植えを楽しまれている方も多いですね。

町に出回っているあじさいを見てもわかるように、色も形もさまざま。
数えきれないほどの品種があり、毎年お花屋さんでも見たことのない花色を見つけます。
ピンク、パープル、ブルーなどが主流ですが、その中でも絶妙な色のグラデーションがあったり、咲いている途中で色が変わっていくなど、わたしたちをとても楽しませてくれます。
この色の変化はあじさいの大きな魅力で、土の状態や環境によっても少しずつ色が変わります。
また、ひとつの株からいくつかの色のお花が咲くこともあります。
ひと昔前には、この変化が「心変わり」をイメージさせることから、結婚式では使わないと言われたりもしていました。
一方、ホワイトのあじさいには、色がわりを起こす色素がもともとないため、色の変化は起こりません。
ジューンブライドの季節にもあわせ、かわいいけれども主張もし過ぎず、どんなお花とも組み合わせやすいことから、最近では結婚式のブーケや卓上花にもよく使われます。
小さながくが集まって咲くことから、「家族団らん」の花ことばもあるそうです。
優しくしっとりとしたイメージで、これからの季節を彩ってくれるあじさい。
ご近所をお散歩するときに、探してみるのも楽しそうです。